アニメ版 ねらわれた学園

では、恒例の劇場特典の自慢から。
劇場特典は4種類のミニ色紙をランダムで1枚。というファンにはちと辛い特典。

わたくしはナツキ&まゆゆサインでした。
個人的には当たりですが、キャラ的には山際さんや生徒会長が好きでした。



あらすじ:幼なじみで腐れ縁の「関ケンジ」と「涼浦ナツキ」。ケンジは同級生の「春河カホリ」に恋焦がれ、ナツキは昔からケンジの事を好いていた。そんな三角関係の中に舞い降りた謎の転校生「京極リョウイチ」。リョウイチには学園の生徒を使って成らねば成らぬ使命を帯びていた。


感想(ネタバレ無しver.):
眉村卓作の同名小説を原作としたアニメ映画ですが、内容は殆どオリジナルになっているので原作や原作を元にした実写映画や実写ドラマを知らなくても問題なく楽しめます。もしかしたら知らない方が内容をすんなりと消化出来るので良いかもしれません。
映画の声優については某洋画や某アニメ映画を俳優やお笑い芸人が声優を担当して声優レベルの低さやキャラと声のミスマッチが問題になる事が多々ありますが。
ヒロインのAKB48渡辺麻友の声優については私個人的には全く問題がなく、映画のプロモーションとして彼女が声優することを全面に推されている為に事前に知った状態で鑑賞しましたが、知らなければ最後のスタッフロールを観るまで「新人の声優さんかな?」と思うぐらいでした。荒を探せばそりゃありますが、確実に問題視するレベルではありません。
原作は1973年に描かれている為に、その世界観を現代2012年に持ってくるのは無理がある為に、携帯電話や人とのコミュニケーションを軸にSF要素と若者の素直になれない恋愛模様を描いており、私のようなおっさん(29)よりも20代前半から10代の男女がデートの一環として観に行くと実に良い後感を味わえると思えます。
内容や雰囲気がどことなく細田守監督の「時をかける少女」を匂わせているので時かけが好きならばオススメします。予告で桜の舞い散る描写が多く見えて新海誠監督「秒速5センチメートル」を予感させる方もいるでしょうが、全く違うので安心してください。




感想(ネタバレ有):
サンライズの萌え担当「第8スタジオ」が製作しただけに無駄にエロい!
少女達のしぐさから、中学生なのに私服がガーターベルトの山際さんや、ナツキに水着の上にセーラー服という変態性の高い格好をさせて大勢で野次るなど。実にエロいシーンが満載で眼福でした。何度も「これはどこかでエロゲにならないか?」といろいろな世界線を巡りたかった。
内容も、超能力をサイコキシスなどの破壊的な能力を主体におかず、テレパシーを軸に、テレパシーと携帯電話の対比を使って、現代のコミュニケーションを問題に上げるなど2012年らしくて良かったわ。男女の恋愛と学園に漂うキョウスケの陰謀を描き続けて、真面目にやり続けた上での海パンでの登場&海に行こうという「ズラシ」の展開は、上手い方向転換だったと思う。あのままあの空気感で描いても問題はなかったが、ずらす事によって観客の肩の力が抜けてリョウイチの事について「ただの悪役」なのか考える事が出来たと思う。
声優に関しては有名実力声優が殆どで渡辺さんの事は上記したから問題なく。絵も良い。シナリオも「ねらわれた学園」としては枠組みだけ採用したレベルの完璧なオリジナルだったけど面白かったな。後半の駆け足ッぷりが、ちょっとでも付いていけないと置いてかれてしまうスピードでもうちょいゆっくり説明して欲しかった。「子供のナツキがどうして過去に行いけたのか」とか「京極父とジジイの関係」とか。
最後のタイムトラベル辺りで「これって『時かけ』的な流行をねらって製作している」という雰囲気が銀幕からにじみ出てしまったが、この映画は時かけのような口コミによる大ヒットは難しい気がする。それは劇場版まどマギエヴァQが前後にあってアニメ映画には事かからない状況だし、時期的に見てもらいたい若者層がアシを運ぶのかなぁ。夏休みや春休み辺りに上映すれば変わったかもしれない。舞台的にもそんな時期ですし。


まぁ、総括すると良いアニメ映画だった。
若者カップルは観に行け!おっさんは「これなんてエロゲ?」と思いながら観ろ!!