LOOPER/ルーパー

あらすじ:ジョセフ・シモンズは、未来の犯罪組織の依頼で過去にタイム・トラベルしてくる標的を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身だった。(wikpedhiaより)


感想(ネタバレ無し):
「はいはい、どうせ未来からきた自分と一緒に犯罪組織と戦うんでしょ?」と高を括ってみたら、「あら、やだ面白い」。
タイムトラベルモノを観ていて、お決まりの一つに『タイムパラドックスが起きるから、タイムトラベルした人間はその時代の当人に会ってはいけない』というものがある。『タイムパラドックスが起きると世界が崩壊する』『タイムパラドックスが起きると当人の存在が消滅する』などの理由でタブーになっているが。当人同士が出会った時にタイムパラドックスが起きた事実が無いので杞憂とも取れる。
そのタイムパラドックスの問題をとっぱらったのがこの作品。
犯罪組織が送り込む人間を始末する主人公は、作品タイトルのように朝依頼を受けて、送られてくる人間の登場をラッパ銃を構えて待ち、到着と共に殺し依頼料を貰い死体を燃やす日々を繰り返す。ループしたような毎日。
ある日、未来からきた人間によって、未来の世界で誕生した新しい犯罪王がこのループ*1を終わらせようと企んでいる事を知る。
ここまでで一時間くらいあって、世界観や主人公の趣向や行動がかなり紹介される。一見すると意味のない説明や行動があるが、ソレが後半のドラマの伏線になっているのだが。兎に角、その念入りに作られた緻密なシナリオと2013年という現代を見据えた上でリアルに想像された2044年という近未来の世界観。
観終わった後は、しばし呆然となり全ての行為に全ての決着に意味を見いだす為に記憶を遡るか二度目の視聴に備えるだろう。

音楽も良い、ちょっと古い感じがスチームパンクぽくて。

*1:未来から殺したい人間を送り現在で処分する方法