復活の日

あらすじ:
猛毒の新型ウイルス MM-88がスパイによって持ち出される。スパイの乗った航空機は、吹雪のため前方視界不良に陥り、岩山に激突し墜落した。やがて、春が訪れ気温が上昇すると、MM-88は増殖を始め、全世界に蔓延した。そして、人類を含む脊椎動物のほとんどが絶滅し、わずかに生き残ったのは極寒の南極大陸に滞在していた各国の観測隊員863人と蔓延前に出航していた原子力潜水艦の乗組員だけであった。


感想:
「超豪華スタッフ」と「製作費○○億」という客引き文句は、現在では負けフラグとなっていますが、この1980年に製作された復活の日は訳が違う。
「総製作費25億〜32億くらい」
当初の予定では15億くらいにする予定が、海外ロケやらなんやらで制作期間が延長して、一体いくら掛かったのか分からない。
「超豪華スタッフ!製作角川春樹、監督深作欣治、カメラ木村大作、原作小松左京、主演草刈正雄
世界各地でロケを繰り返し、本物の潜水艦を使って撮影。南極ロケまでこなした。
海外でのヒットを狙って台詞の大半が英語というグローバルな作品である。
結果、収益が24億円で角川映画の転換期となった作品である。

もう、凄いのなんのって
人類がMM-88によって衰退した日本が最初に現われる衝撃のシーン。
人の気配がない物静かな東京を潜水艦の潜望鏡から覗くYOSHIZUMI。
そこからMM-88が世界に広がった経緯が語られる。
後はMM-88の恐怖に怯える日本社会とMM-88への対抗策を練るアメリカの議会が映し出されるんだけど。日本社会は街中で感染者の死体を山積みにして火炎放射器で焼き払い、病院には患者が押しかけ、ワクチンや治療を懇願する大混乱。ワクチン*1の数も限られていて、終わり無く来る患者・死んで行く患者に医療スタッフも身体共に疲れ果てる。そんな地獄のような映像が映し出される。ソレに対して、アメリカの議会はほぼ議会室内で話が進み、MM-88が原因であるとか対抗策が無い状況であるなどの現状認識が進むにつれてこの絶望っぷりに、議員が一人2人といなくなり議会室が荒れる。最後は疲れ切った大統領と議員の2人だけになる。
その日本社会の動とアメリカ議会の静なる混乱の対比が凄い。
その後も南極やマチュピチュなど世界各地で撮った映像や実際の潜水艦の浮上など盛り上がるシーンばかり。
最後の神と対話する主人公辺りはちょっとカオスっていたがそれでもこの映画は、うたい文句に間違いの無い大スケールな映画となっている。
今のこじんまりとした邦画に飽き飽きした人は是非観て欲しい一品でした。

復活の日 デジタル・リマスター版 [DVD]

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*1:本当はただの風邪薬