ランゴリアーズ

あらすじ：ロサンゼルスからマサチューセッツ州ボストンへ向かう夜間飛行の飛行機。目覚めると他の乗客は消えうせ、１０人の乗客のみが残されていた。他の乗客は何処へ行ったのか、残った彼らは飛行機を近場の飛行場に着陸させるが、そこにも人の姿は見当たらなかった。

感想：
スティーブン・キングの同名小説をアメリカの放送局ABC放送がTVドラマ化した作品。
個性的な１０人の人間のみが残った飛行機で起きる乗客失踪の謎解きから、事態に起きた異変などスティーブン・キングらしい人々の戸惑いや葛藤を織り交ぜて送るホラーというかSF作品。
ミストでは大勢の人間がスーパーに閉じ込められた為に、個人の意見が抹消され派閥化してしまったが、ランゴリアーズでは１０人しか登場しないので一人一人の意見や行動、過去などがちゃんと紹介され無駄なく動く。
そして空を飛ぶ飛行機内から飛行場に場面が映り密室劇ではないと思わせて、飛行場も無人の為に場面を変えただけの密室劇だという手法。
密室劇お決まりの困ったちゃん役として、過度なプレッシャーから人格をやられるトゥーミー。不思議なチカラで人を先導するダイナ。探偵役の小説家ボブなど登場人物が実に魅力的。
そしてなりによりも凄かったのが、ランゴリアーズの歯。あの身体自体はクルミのような自然な形なのに歯が新品のノコギリのように鋭く銀色に輝く。そのアンバランスさと９５年製作のTVドラマなのでCGモデルの拙い感じが、実にこの世の化け物っぽくなくて怖かった。

スティーブン・キングのランゴリアーズ [DVD]