サボテンブラザーズ

あらすじ:荒野の七人のパロディ。
名ガンマンを演じる役者三人を見た村長の娘カルメンは、三人を本当の名ガンマンだと思ってしまい、村を牛耳る盗賊集団の退治を依頼する。三人は撮影だと思い込んで村にたどり着くが、盗賊との決闘だと聞かされ…。


感想:
三谷幸喜の作品は「偽者が人情に惹かれて厄介事を背負ううちに本物に成る」話がテンプレ並に存在して、この映画を観ている時に、役者だった三人が困った村人とカルメンの為に盗賊の砦に乗り込む展開とか「三谷作品っぽい」と思っていたら、この映画三谷幸喜が大好きな作品らしい。
ちなみに主役の三人はグループ名を「スリーアミーゴス」というが、踊るの三人の名前はこの映画から拝借されている。

内容はあらすじ通り。コメディタッチな勧善懲悪モノである。
後半に主人公らがラッキーのみで盗賊集団を皆殺しにするのではなく、困っている村人を再起させて盗賊集団との戦いへと導く展開は見事である。
アレだよ。中国の諺にある「魚をあげるよりも釣具一式を上州屋で買い揃えろ」って奴だ。

主役の一人スティーヴ・マーティンがおじいちゃんみたいな顔しているけど。撮影時40歳だぜ。あの人って昔から髪の毛の色と温厚な顔でおじちゃんみたいだよね。

盗賊に怯える村人たちにラッキー・デーは言う。

「人はみな、心にそれぞれのエル・アポ(盗賊のボス)を抱えている。
ある者には、それは自分の臆病さであり。
ある者には、教育の不足なのかもしれない。
われわれには、それは命をおびやかす危険な存在だ。
けれど、わが名“ラッキー”のごとく、
人は自らの力で心のエル・アポに打ち勝つことができる。
それは真のエル・アポを倒すのと同じことだ」

実に素晴らしい台詞である。