ジャッキー・コーガン

あらすじ:賭博場で強盗事件が起きた。犯人は覆面を被った二人組の男たち。
犯人を探し出すべく殺し屋ジャッキー・コーガンブラッド・ピット)が街に呼ばれる。

予告編↓


感想:
前評判の悪さから、視聴を悩んだが。
ハードボイルドモノならつまらなくてもブラピのカッコイイくらいは拝めるかと映画館に行ってみたら。これが酷い映画だった。
結論から言おう。
アウトローな世界をテーマに現代のアメリカ政府や国家を批判するっていう事がたぶんテーマだと思うが、エンターテイメント性は薄いし、大統領の演説を後ろに流して物語との対比ってのは古臭くて、監督の手抜きがまるみえだぜ」
物語の緩急が浅く、強盗事件は始まりであってそこから巨悪やトラブルが起こると思ってみていたら、本当に強盗事件の主犯2人と主犯格1人を殺して終わった。ブラピの殺し屋役もキャラとしては嵌っていたが、出番は少なく要領が悪い。クールでスマートの完全主義者のような殺し屋像を思い描いていくとかなり肩透かしをくらう。そのくせ、殺し屋は「俺は相手の命乞いする姿を見てられないから優しく殺す」事を信条にしているとか言いやがる。遠くからショットガンで暗殺することの何処に優しく殺すがあるんだよ!
予告編で「遠慮はしない。誰にも頼らない。信じるものは腕と金」とナレーションが入るが、それは大嘘で。金を払って手下に依頼を任せる。
最後のまとめも「アメリカは国家じゃないビジネスの場だ。理想主義者は人は夢と希望で動くというが、人が動くのに必要なのは金だ」って安直すぎない。

まぁ分かるよ。TVから流れる言葉は市民の生活と繋がっていないって事なんだろ。
最初に犬を沢山連れて歩く男は資本主義の象徴なんだろ。
金だけ貰って仕事をしない男は血税だけ毟り取る官僚か、ウォール街の誰かへの比喩なんだろ。
でもさ、そーゆー事を流しながら映画として物語の面白さを生み出せよ。


余談。
去年上映したトム・クルーズの「アウトロー」の方が数倍ハードボイルドであった。予告製作者はたぶんアウトロー意識して作ったな。すっかり騙されたよ。