L.A. ギャング ストーリー

あらすじ:1940年代のロサンゼルスが舞台。ドラッグの売買に売春、恐喝と悪の限りを尽くして街を牛耳る大物マフィアのボスミッキー・コーエン。彼のチカラは政治や警察内部までに伸びていた。そんな彼から街を取り戻すべく6人の警察官がバッチを置き戦いに挑む。目的はコーエンマフィアの壊滅。6人の警察官はマフィア同然の暴力的な手法で壊滅に挑む。

予告編↓

感想:
ミッキーコーエンの悪行三昧に業を煮やした警察署の本部長が、署内でも仕事の出来て賄賂に溺れない正義感の塊のような主人公を目に付け、彼を中心にマフィア壊滅を目的とした「ギャング部隊」の結成を内密に決める。ルールは一つ、部隊で動く時は警察バッチを家においてくる事(警察官という本業から切り離して行動する事と死んだ時に身元がばれないようにする為)。
面白かったのが、チームの編成。主人公は署員の名簿を見比べて出来るだけ仕事の出来る腕の立つ奴を選定するんだけど。それを観ていた奥さんが全て却下して奥さんが1からメンバー編成をする。奥さんの基準は腕の立つ・仕事の出来る奴はコーエンの息が掛かっている可能性が高いから除外。
出来るだけ癖のある問題児で、主人公を守ってくれそうな奴らを選ぶ。
そこで選ばれる個性的なメンバー。
主人公を含め個々のポテンシャルは高いものの、マフィア壊滅なんて誰も体験したことの無い仕事に6人は手始めにコーエンが経営するカジノを襲撃する事を決める。
見事に失敗するのだが、それも面白かった。
手探りに行動して失敗する。その一連の流れが彼らに現実を直視させるキッカケを与えた瞬間のように思えた。その後の仲間の死には、彼らに更なる現実を与える。
そして最初のボクシングシーンを回収するように行われるボクシング。
マフィアのボスを捕まえても腕の良い弁護士によってすぐに釈放されてしまうお決まり展開を、他の警官の前でボッコボコに殴り倒すことによって、コーエンのボスとしての威厳が崩し再起不能にし他の警官にコーエンの不甲斐なさを見せ付ける実に良い展開だった。

不満は、奥さんが死んでいると思ったら子供生まれていた。ってどんでん返しを中盤で仕込む理由がちょっと無駄だったな。死なないなら、あの話いらなかったよね。後メキシコ男がスパイのにおいを醸し出していたのに本当にただのメキシコ男だった所。

コーエンを演じたショーン・ペンの演技は本当に凄まじかった。周りから見ると華奢で小柄なショーン・ペンが身体をフルに動かし怒鳴り散らし自己陶酔する姿は魅力的なマフィアのボス像そのままでしたわ。

映画全体では粗が多くて、突けば何か出るシナリオだけど1940年代の音楽に彩られ、栄光なき男達が街の未来の為に悪戦苦闘する姿は実にカッコよかったのでこれはなかなかオススメでした。