2013年のE3

一年で一番楽しいイベントは?と訊ねて、大抵の人間はクリスマスなり正月なり誕生日を選ぶのだろうが。私はこのE3ってイベントが大好き!
今年のE3はMSとSCEが新型ハードの詳細やソフト紹介と数年に一度の大カンファレンスが用意され、任天堂も負けじとスマブラのPVを出すとノリノリ。
始まる前から嵐の到来を決定付けられていた。
発表順に個別に。

MSカンファレンス

先月新型ハード『XBOXone』が発表され、カンファレンスは関連ソフトと価格に注目が集っていたと思われる。
カンファが始まってすぐに流れる『メタルギアソリッド5 THE PHANTOM PAIN』のPV

カンファ前に小島監督がPVの出来のハードルを上げまくっていて、「ゲームはムービーの出来ではないゲーム性だろ。それを教えてくれたFF13先輩を忘れたのか?」と疑っていたが、実際のPVは凄く美しく日本で生まれたゲームとは思えない世界観の広がりを見せていた。
出だしから掴みは完璧だった。
その後、新型箱○の発売や箱○に向けたワールドオブタンクの配信決定やフォルツァの新作、ダクソ2などが紹介される。
『XBOXone』では、MS販売による独占ソフトとして、『デッドライジング3』が発売決定。

カンファでは、ゾンビに電ノコ投げつけて真っ二つにしてましたけど、これって日本じゃ絶対に規制くらいじゃないですか!!フィールドがデパートや遊園地から移り変わって街になった模様。でもシームレスで動くらしい。さすが次世代機。
『マインクラフト』のXBOXone版の製作発表も行われる。
続いてバトルフィールド4の紹介(トラぶったけど)や新しいHaloのPVが流れる。
最後にMSの目玉であり、誰もがあまりの無名さに期待していなかった
MS独占の『TITAN FALL』が紹介される。

COD開発者が集ってソースエンジンで作ったらしく。FPSなのに動作が機敏、ロボットへの乗り込みから起動までのカッコよさ。攻殻機動隊を思わせるロボットへの攻撃などFPSをあまりプレイしない俺ですらその世界観にウットリしてしまった。

カンファレンスは中盤にメディア展開の話があったものの全体的に新作ソフト紹介のオンパレードで、実に面白かった。去年のようなキネクト推しのPVが殆ど無かった事も去年の反省を踏まえていて好印象。新ハード普及に向けた意欲を感じた。

XBOXoneの値段が4.99ドル(5万円)という高め設定以外は…。


SCEカンファレンス

MSカンファとは打て変わって、SCEAのCEOがPSの現状を紹介する。地味というか良くあるカンファレンスの始まり方だった。個人的にこうゆうイベントではSCEの方が癖球で驚かす事を得意にしていたからその手堅い始め方にはちょっと驚く。
その後、発表済みのソフトの紹介を新しいPVと共に行う。(やはり地味)
The Last of Us』や『BEYOND: Two Souls』『inFAMOUS: SECOND SON』『DRIVECLUB』などが並び。FPSが多かったMSに比べて、SCEFPSに拘らずゲームの可能性を模索しているような印象を持った。『Killzone: Mercenary』や『Destiny』も在ったけど。
そしてPS4の本体が紹介される。
黒くて四角い。シャープな外見とゲーム機を思わせないデザインは高めのHDDレコーダーのような印象。
PS4のメディア展開の話。ソニーピクチャーが提供する「ビデオアンリミテッド」と「ミュージックアンリミテッド」が使える模様。『XBOXone』と比べて日本でも使える可能性は高そう。
次に新しいスタジオが製作中のインディーズゲームの話があったが、MSで『WoT』と『マイクラ』を紹介された後ではなんとも地味であった。
ちょっとテンションが下がった会場に「スクエアエニックス」の文字。
ファイナルファンタジー13−ヴェルサス』が『ファイナルファンタジー15』とタイトルを変更して発売決定。

キングダムハーツ3』も発売決定

と驚きの発表。(その時はまるでSCEの独占タイトルみたいに紹介されたが、MSとマルチの模様)
ファイナルファンタジー14』のPS4版製作決定。
会場大盛り上がり。
次にアサクリの実機プレイが止まる(不吉)
しかーし、PS4の値段発表。
PS4は3.99ドル(4万円)とMSよりも一万円くらい安い!
そして、「中古対策はしない」と公言。(MSのXBOXoneが中古対策をして中古として買ったソフトはオンラインパス的なモノを払わないと動かない。と言われていたから)
会場が再度、大盛り上がり。

最後にHaloを作っていたバンジーCODのアクティヴィジョンが共同開発した『Destiny』が紹介される。(PS3PS4XBOX360、XBOXone、PCという5機種マルチ)
カンファで配信された通訳さんの翻訳プレイ動画。(この通訳の破れかぶれっぷり)

通訳の努力は別にして、ゲーム的にはキャラを成長させるRPG要素を含んだ近未来型FPSと面白そうではある。

序盤こそ地味に始まったものの、顧客のニーズを鋭く見抜き人を盛り上げる手腕の上手さはさすがソニーと言った次第である。
「中古対策無し」を高々に叫ぶことでバッドエピソードである「ネット対戦の有料」という事実を見事にごまかしてしまった。まぁ月500円から400円くらいだから安いもんだけど。
カンファ中にPS4の発売日を明言しなかったことは言い忘れだろうか。今年中に発売予定しているらしい。

Nintendo Direct@E3 2013

今年のE3では任天堂は出展しているものの、カンファレンスは拒否した。
その代わりに、いつもの配信動画で情報開示する『Nintendo Direct@E3 2013』を配信した。

いつもの岩田社長の挨拶から始まり。
最初にWiiUソフト『スーパーマリオ 3Dワールド』。猫マリオという新しいマリオの登場や、プレイヤーキャラにピーチ姫を入れキャラ性能をマリオUSA設定にした3DSで発売したスーパーマリオ3DランドのシステムをWiiUに持ち込んだ新作。立体的なステージを多人数プレイは2Dマリオに飽き始めていたファミリー層に受けそう。
3DSソフト『ポケットモンスターX・Y』の新PVと新属性『フェアリー』の紹介。

タッチペンでポケモンと遊べるシステムの幼稚性(いい意味で)と立体化したフィールドや戦闘シーンという上位性は老若男女受けそう。任天堂は購買層のふり幅がいつも大きい。
マリオカート8』乗り物にバイクが復活し、水中から空中、壁を登ったり逆さま状態で走行など。レースゲームとして大きく成長。なによりもHD画質になったマリカーは実に綺麗になっている。Miiverseとの連動もあり。3DSソフト『マリオカート7』のコミュニティ機能の強化版だろう。あとは、プラチナの『プロジェクト101』、『風のタクトHD』『WiiUパーティ』とか『ドンキーコング』の新作。
他社のカンファは1時間半くらいあることに対して任天堂は37分という短い配信だった。
ここまで立て続けに紹介され、そろそろスマブラで終了かな?
と思っていたら、『ベヨネッタ2』の新PVが紹介される。

任天堂が販売するゲームの中で登場シーンがM字開脚だった事があっただろうか…。
ベヨネッタがショートカットに!ジャンヌが長髪に!!
いつも通りの「エンジェルメイクライ」状態の戦闘。
そして次に、モノリスソフトが製作しているゼノシリーズ最新作『X』の新PVが紹介される。

WiiU発表時に「コアなファンも取り込む」を合言葉に企画倒れしていたベヨネッタ2を拾い上げた任天堂ベヨネッタも実に任天堂らしくないゲームであるが、このXもこれまた任天堂らしくないゲームである。スクエニのような長身キャラがロボットを乗り回してオープンワールドの世界を巡る。どうやらオンラインプレイも搭載しているようで。その装いはスクエアや海外のゲームが得意とするジャンルである。面白そうだ。
最後にトリを飾るようにスマブラのPVが流れる。

どうぶつの森の主人公『むらびと』と『ロックマン』が参戦!
3DSWiiUの2タイトルで遊べ、登場するキャラは同じだがステージが違っているらしい。まだまだ参戦キャラは多くいるそうで、このPV公開後数時間でWiifitから『Wiifitのトレーナー』の参戦が決定。(え、だれ?)

なんだこの勢いで作ったようなアホなPVは…。任天堂の悪乗りが始まった…。
今作のスマブラバンナム開発なのだが、最初の参戦キャラに自社キャラではなくカプコンキャラを持ってきた事が意外であった。バンナムからの参戦予想は、本命がパックマンとなっていて実に納得である。対抗がテイルズキャラやドルアーガのギルとなっているが、剣を持ったキャラがゼルダとピットがいる現在。FEからの参戦も考えると被りすぎるかな。大穴でアイマスが出たが、ちょっと無理だよね…。

MSとSCEと見ていて、次世代機の可能性がうかがい知れる素晴らしいカンファレンスに続いての任天堂ダイレクトだった。マシンスペックはXBOXoneやPS4に比べると見劣りするWiiUではあるが、ゲーム性の高いソフトが並び。映像美もゲームの要因ではあるが、なによりもゲーム性の高さが大事なのだと再確認できた。そして、どんなに凄い大作ゲームを呼び込もうと、自社でヒットゲームを作れるチカラを持つ会社が一番強いという愕然とした事実をしみじみと感じたのであった。
そもそもWiiUのスペックだってまだ出し切ってないしね。


E3総括。
私が配信で観てきたのはビジネスデーだけなので、まだ現在終わってないE3は続々と新情報を生み出していくだろう。
TVゲームの祭典E3。製作会社が他社よりも目立とうといろいろな策を練り、それが見事に花開く時もあれば数時間後には打ち砕かれてしまう事もある。それはライバルの更なる成長であったり、ファンからのブーイングであったりと様々だ。
しかし、E3に関わる全ての人間は「面白いゲーム」という未だに体験した事が無い新しい刺激を求め続ける探求者の集まりである。
新ハードが生まれてスペックは向上した。クラウドサービスやSNSとの連携が始まる。
TVゲームは新たなる可能性へと飛躍する匂いをビシビシと感じさせるそんな今年のE3でした。