戦姫絶唱シンフォギアG 第二話「胸に力と偽りと」

あらすじ:ライブ会場に突如現われた大量のノイズと黒きガングニールを纏いし謎の装者「マリア・カデンツァヴナ・イヴ」。彼女は大衆の前で世界に向けて宣戦布告をする。その狙いは何なのか。同じくステージに立つ風鳴翼は歌姫と装者の狭間でもがく。

感想:
脚本家の金子彰史の情熱が爆発して、全体のプロット前に出来上がったのが1話、2話なので、2話も怒涛の展開だった。(多くの者が思う通り、OVAや劇場版のような展開だった)
まず、マリアの変身バンクから入り、水樹奈々が歌う新オープニングに移る。
この新OPだが未来さんの出番がすげー短い!それを補うように繕うように未来さん16分割画像がズルい。一期のOPに比べて、響・翼・クリスが仲間という状態での始まりなので三人の登場回数が増え、逆にマリア・切歌・調が敵のサイドという事も事前情報で流れているので3対3の共闘も入れている。じつにアクションアニメっぽい仕上がりである。
OPが終わると、本部に防衛庁からコールが係り、2期からの新キャラ、斯波田賢仁事務次官が登場する。なぜか蕎麦を食いながら。そして開口一番飛び出す言葉これだ。
「ヤクネタが暴れてんのはこっちばかりではなさそうだぜ」
『ヤクネタ』調べてみると、ヤクザ用語で「危ない奴・トラブルメーカー」を意味しているそうだ。
防衛庁事務次官がヤクザ用語である。
もっと言えば、美少女アクションアニメの防衛庁事務次官がヤクザ用語である。
この言葉遊び。金子彰史の情熱という暴走を感じられずにはいられなかった。
その後の事務次官の言葉により、何者かによるアメリカの研究機関から聖遺物の強奪が報告される。崩壊した研究所のディスプレイに写る「FINE(フィーネ)」の文字。テロ集団フィーネの裾野の広さを窺い知れる。(でも、わざわざディスプレイにフィーネって入れる必要ないのにね。アニメ的演出か)
それにしても事務次官、実にべらんめぇな喋りである。次の登場では江戸前の寿司かうな重を食っていそうだ。
シーンが変わり、マリアのライブ会場の大衆を人質に取った要求が行われる。
要求とは『24時間以内の国土の割譲』もはや無理難題も良い所である。
驚く世界各国の政府と、画面に合掌するダライラマ風ハゲ親父。(これは邪推だが、国土の割譲とダライラマ風の男は、ネパールと中国問題を皮肉った社会的風刺だろうか(たぶん違う))
無謀な要求に疑いを持つ翼。
マリア「私が王道を牽き、私たちが住まう楽土だ。素晴らしいとは思わないか」
(これは防人とは違ったタイプの中ニ病だ。サンライズが得意な方の中ニ病だ)
マリアの言葉を事務次官は「アイドル大統領と呼べばいいのかよ」と笑い飛ばす。(アイドル大統領。解放少女というゲームの主人公は、アイドルで女子高生で大統領であった。(なおかつSTG)アイドル大統領有りだと思います)

「何を意図しての騙りかは知らんが」
「私を騙りだと?」
「そうだ、ガングニールのシンフォギアはお前のような輩に纏える物では無いと覚えろ!!」

こんな硬派な会話が繰り広げられるライブ会場って異常だろ……。それもさっきまで仲良くデュエットしていた大物歌手が言い合っているんだぜ…。
TVでライブを見ている視聴者からすれば、(ノイズ発生からマリアの変身まで)ステージの演出って思ってしまうくらい異質だぞ。
観客とカメラの目の前では変身できない翼にマリアは独断で観客の解放を告げる。
観客が去った空の会場で、マリアは再度翼に剣を交える事を促すが、カメラが会場の様子を伝え続け変身が出来ない。
同時刻。緒川マネージャーは翼を助ける為に放送室に向かって走っていた。
そこで道に迷う(?)切歌と調に出会う。(凄くコミカルなBGMが流れての初登場だった)
調はPVで喋っていたり、その様子から物静かなおっとりタイプだと方々が予想していた通りだったが、切歌の予想は大きく裏切られた。なんせ事前情報は声優の名前とキャラ紹介にある「常識人」という言葉だけである。この「常識人」。これが厄介だった。そもそもシンフォギアの世界はみな常識人ではない上松と金子の思い入れで作られているので、一般的に見るとドレもが非常識人ばかりなのである。その中で彼女の常識度はいくらぐらいのモノか。頭を悩ませた。
結果、萌えを一切書いた事がない萌え初心者の金子が苦悩して生み出した事が目に見えて分かる「デス口調」。(今時ラノベだってもうちょい変わった口調デスよ。化石デスよ)
実に不思議ちゃんな登場であった。(普通に乱入で良かったんじゃね……あの「じー」で何リットル吐血して執筆したんだ)
シーンが変わり、観客が去った空になった会場に立つマリア
「帰る場所があるって、いいわね」(同じガングニールを持ちながら、未来という帰る場所のある響との対比的言葉である)
未だに作動し続けるカメラのせいで変身できない翼にマリアは業を煮やし戦いを挑む。手に持つ剣状のマイクを武器にチャンバラする二人。
カメラの死角に逃げ込もうとする翼に、1期において、戦闘に不向きだとへし折られたヒールからの意趣返しとも取れるヒール折れによるふらつき&ミドルキック。
ノイズの集う客席に落ちる翼は、歌女(UTAME)としての自分を捨てて変身を決める。
Aパート終わり。(ここまでで10分…。濃厚すぎる)
CM明けてBパート。
放送が中断され戸惑う響としたり顔のクリス。
新しくなった翼の変身バンクが流れる。(変身時の曲も「月煌ノ剣 」に変わる。三味線が入りSAKIMORIらしさ全開である)
放送の中断は緒川が翼を思い放送機材を止めた事が原因だった。(OGAWA彼もまたOTONAのようだ……)
マリアと翼の戦いがステージ上で巻き起こる。
無手のマリア(剣状マイクは壁に突き刺したので)は何を武器にするのか。響のように無手なのか、それとも奏のように槍なのか。注目の光るシーンにマリアが武器にしたものは意外にもマント。例えるならば、真・ゲッターロボで竜馬の乗るゲッター1のようなカービィメタナイトのような、Gガンのゲルマン忍者の必殺技「シュトゥルム・ウント・ドランク」みたいなマントを攻防に使う攻撃方法。俺はスタッフに「今川泰宏」の文字を探したさ。クリスちゃんの様子を一期から「ガンダムヘビーアームズ」と野次る声があったが、ゲルマン忍者ですよ。1話でスクラップ・フィストを無意識に描いてしまったと呟く監督らしく、2話でコレですよ。バカにバカを重ねた結果がコレだよ。
マリアの動揺から翼が勝機を見つけ、新必殺技「風輪火斬」が炸裂(普通にカッコよくなっている。技を決めたシーンを技名カットシーンにしたせいか)
視聴者の誰もが「勝った!」(響のライバル的存在かと思ったらSAKIMORIが勝った)と安堵したら、BGMが「月煌ノ剣」が「鏖鋸・シュルシャガナ」に替わり、翼の背後を襲う無数のピンク色の円鋸。調の登場と続くように鎌を構える(駄洒落)切歌も登場。(この翼の歌から調の歌に流れる曲の展開と戦闘の攻防の展開がマッチしていて実に爽快)
調の「α式・百輪廻」で翼の腕を止め、切歌の「切・呪リeッTぉ」が両脇から迫る。(これが酷くダサい。ネーミングからカットインまでダサい)
ダメージを追いステージ下に落ちる翼。見下す三人に翼は言う。
「貴様みたいなのはそうやって、見下ろしてばかりだから勝機を見落とす」
翼の視線からステージ上の三人が見上げると頭上に落下するクリスと響の姿が。
ステージ上で構えるマリア・切歌・調とステージ下で構える響・翼・クリス。(たぶんこれが力関係や立場を表している。上と下)
響は1期からぶれずに装者には対話を求めるが、その姿勢を調が「偽善」と切り捨てる。
調の「この世界にはあなたのような偽善者が多すぎる」という台詞から、
「だからそんな世界は切り刻んであげましょう」という歌詞への流れは秀逸である。
1期から『歌と戦闘の融合』をテーマに作られているが、2期の2話の調のシーンによって『歌と戦闘と台詞の融合』が表現されている。このシーンの成功がシンフォギアにとって大いなる一歩。2期の必要性を一つ昇華できたと思う。
争いあう6人。そのチカラを持ってもナスターシャの望む結果は得られず、彼女は最終手段を用いる。ライブ会場に現われる増殖分裂タイプのノイズ。ナスターシャの命令によって撤退するマリアら。増殖分裂タイプのノイズを活性化させる為にマリアはガングニールのアームドギアを取り出すのであった。(奏と同じ腕のパーツを槍に変化させるモノだけど。奏の槍は突撃タイプに対してマリアは砲撃タイプっぽい(SLBにも似ている。金子となのは原作者の都築は仲良しだからそうゆうあえて似せた可能性がある))
「HORIZON†SPEAR」(やっぱりマリアはソッチ系の中ニ病か…)
飛び散るノイズ。逃げ出すマリアら。
ただの攻撃ではノイズは拡散し被害の増大は必至。
響は三人の絶唱による範囲攻撃を提案する。
そして、飛び出る1話で響が言った「とっておきたいとっておき」のフラグが、2話で消化される。1話に立てたフラグを2話で折る。そう、その出し惜しみのなさがシンフォギアなんだよね。
「S2CA(Superb Song Combination Arts)・トライバースト」
緒川が説明するが、簡単に言うと、絶唱のエネルギーを響に集中することで増幅させ、絶唱のデメリットである身体へのバックファイアを絶唱に耐えられる響に任せる事で装者を救う合体技。という事らしい。問題は響が三人分の負荷を追うので暴走しかける。響損の技である。
三人分の絶唱は響の腕パーツを変形させ、エネルギーの渦は増殖分裂タイプのノイズの本体をひねり出す。響のパンチがノイズを貫いた時、空に突き刺さるような虹色の竜巻が打ち上がるのだった。
その虹の渦を見つめ、「化け物」と称するマリアと「夜明けの光」ほくそえむナスターシャ。
ノイズの去ったライブ会場では、調の言った「偽善者」と言葉に打ち崩れる響とそれを心配するクリスと翼がいた。
響の過去に何が?
そして、暗躍する杉田博士!!
新EDに流れ、2話終わる。


総括。
途中でも書いたけど。
歌と戦闘の融合から、歌と戦闘と「台詞」の融合まで演出が出来上がってきた事が素直にうれしいね。また戦闘時に曲をメドレーにして戦況の変化を伝える演出も凄く良いと思ったわ。
響の過去は、最初、月が欠けた関係者だからそこら辺かと思ったが、その為に1期では死亡扱いにした事を観ると無いかな。本命は「響の父が殺人犯」というのがなんとも怖いが、金子脚本ならやりかねないから怖い。
まぁ響には未来がいるから欝展開の酷さは無いだろうケド。
第三話の予告を観るに、舞台はリディアン院(?)に移り、杉田博士の暗躍は続く模様。クリスちゃんの変身バングも登場しそうで面白くなりそうですね!!