オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式

あらすじ:アダム、ルー、ニックの3人は、それぞれに人生の悩みを抱えた中年親父。古くからの友人である彼らは、アダムの甥でオタク青年のジェイコブを誘って、日頃の鬱憤を少しでも晴らすために、思い出の地である山奥のスキーリゾートへ出かける。そこで彼らはオープンジャグジー(日本で言う露天風呂、作中ではジェットバス表記)の中で酒を大量に飲み、一晩中大騒ぎするのであった。
翌朝、彼らが目覚めると、そこはなんと24年前の1986年だった。そうジャグジーの正体はタイムマシンだったのだ。(wikipedhiaより)
米国版予告編↓

感想:
タイムトラベル物として面白かった。声優の演技が良かった。パロディ多いし。
2007年に日本で上映された「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」のパクり映画。(オフロ式は2010年米国上映で日本劇場未公開)
妻に逃げられて家具の半分とTVを持って行かれたアダム。アダムの家の地下に引きこもって刑務所の囚人を操作する糞ゲーをプレイし続けるジェイコブ。バンドを辞めて結婚した妻の浮気に毎日憂鬱なニック。自暴自棄を起こして自殺未遂を起こした友人のルーの気持ちを変える為に、4人は青春時代に遊んだスキー場に向かう。
たどり着いた思い出のスキー場は、今ではすっかり廃れ態度の悪いベルボーイは片腕だった。
テンションの上がらない4人の前に突如オープンジャグジーが光りだす。
気持ちを切り替えジャグジーに飛び込み酒を飲み交わす。悪酔いが祟り。朝、目覚めた4人の前には1986年が広がっていた。*1
タイムスリップした時と分かった時の反応で、ニックの「就職どうしよう」とルーの「怖くてたまらねえ」がすげぇ好き。
謎の風呂修理工(なんでかチェビー・チェイス)の助言とバタフライエフェクトの影響を考えて4人は歴史を書き換えないように当時起きたイベントを記憶どおりにすべく損な役回りをこなしていくが。ほどほど嫌気が差し4人は未来の記憶を元に過去を書き換えていく。ニックが80年代のライブ会場でラップをして会場を沸かすシーン*2なんか最高。
おっさん三人のボケを若いジェイコブが突っ込んでいく流れもテンポ良くて面白い。
80年代ネタも満載だと思うが、俺が83年生まれなのでそれは一切分からなかった。マイケルジャクソンの肌の色くらいしか分からなかった。
現実で片腕のベルボーイが過去では両手で登場し、片腕が無くなる数々のフラグを回避していくネタも面白く腕が無くなった時のグロさには笑った。
タイムトラベルモノはタイムパラドックスやら親殺しのパラドックスやらカオス理論と過去を生きる上での禁則事項が多く、物語の広がりを狭めていたが。突き詰める所、これはコメディ映画で、タイムトラベルでの禁則事項なんてやぶった罰を実例した事が無い机上の空論なので。それらのルールを無視して好き勝手やるというのは爽快である。物語の説得力
は無くなるが、この映画の説得力はダメ男の再起の部分だけで良いと思うし。

「あの時の俺に言ってやりたい」という言葉はシュタインズゲートのキャッチコピーの一つだが。昔に戻れたら、世界の倫理や未来改変なんてオール無視して自分の幸せに万進するダメ男のおっさんらの潔さが実に見ていて気持ちよかった。
適当な邦題で損をしている洋画は沢山あるが、的を射ている的確な邦題なのに損をしている面白い映画である。

余談1.
アダムと姉の過去が意外とシュールだった。
週末は家族でステーキハウスに食事に行く事がルールになっていたが、TVでピザのCMを見た姉弟は週末にピザが食べたいと親父に泣いてせがんでステーキからピザに代える。その日ピザ屋で大腸菌が発見され、親父は大腸菌のついたピザを食って死ぬ。あの時我侭を言ってステーキからピザに代えてしまった姉弟は自身を呪い。姉は瞬間だけ生きる刹那的な生活を選び、アダムは保守的な生き方を選んだ。(戻りたいのは親父とピザ屋に行ったあの日なんだろうなー)

余談2、
「ベストキッド3」「団塊ボーイズ」「バタフライエフェクト」「タイムコップ」「ターミネーター」と他の映画の例えが多くて笑える。

余談3.
ジェイコブの吹き替え声優である庄司将之BTTFのマーティンマクフライ三ツ矢雄二)ぽい演技で喋っているのもいい。


余談4.
EDの曲好き。
ルーが車の中で酔いつぶれて歌うバージョンがもっと好き

*1:時間移動の演出が完璧にバックトゥザフィーチャー。風呂で酒を飲み交わすシーンはハングオーバー

*2:これもBTTFのパロディ