人生これでいいのだ!!
赤塚不二夫の人生相談本。読者から送られた人生相談を赤塚不二夫が回答していく、試みの地平線の赤塚版。相談以外にも立川談志、泉谷しげる、由利徹、立花隆、北方謙三との対談も含まれている。
今、おいらの地方局には天才バカボンが再放送しているので気になっていた赤塚不二夫さん。昔からタモリさんと馬鹿をやっていたと有名人でいつも笑っているイメージしかないあの方が人生相談なんて出来るのかよ!と軽い気持ちで読んだら、アル中で幻覚症状、入院、信用していた税理士が2億円の脱税をして逃げられた。離婚。仕事がない。
なんて暗い過去をお持ちなの、人に歴史ありなんて言葉じゃ片付けられないものばっかり。
でも、赤塚不二夫さんは笑いながら「これでいいのだ〜」だからもうこっちも笑うしかない。警察官の「借金2億作った税理士を訴えますか?」と訊いても、「彼にはまだ将来があるからいいのだ」と全て許しちゃう。そうかと思えば「三万円貸してください」の馬鹿な相談には「ヤダ!!」の一言。
すごいぜ先生。そんな赤塚不二夫さんのこの本、手塚治虫作品共通の精神論「がんばれば夢叶う!!若者よガンバレ!!」なんてチョーポジティブな感じでもなければ、水木しげるさんの「がんばっても無理なら諦める。がむしゃらに遊べたらそれでいいじゃん」のマターリ論でもなく、「お酒がみんなと飲めてお馬鹿な事を真剣に遊ぼう」とまるで小学生の言葉みたい。
でも、だからこうやって絶望に落ちても笑えるんですよね。
本当に対談するみんなが赤塚さんを褒める姿に赤塚さんの人徳が出てました。
よく出ていたのは最後の現在妻と過去妻の対談。
ギスギスした感じになるかと思えば、二人して「赤塚は馬鹿だから大変でしょ?」「ホント大変私がいなくちゃ締め切り守らないし……」なんて自分の子供について話している保護者みないなゆったりした会話。
おいらもこんなおじさんに成りたいなぁ。と思い、死にたくなると最近よく読んでます。
なにはともあれこれでいいのだ!!
- 作者: 赤塚不二夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/02/19
- メディア: 文庫
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